7月の観察会~トンボとセミの観察~

動かないでじっとしているだけでも汗が吹き出してくるような猛暑の中、集まった参加者は10名でした。あまりに暑いので、この日は池の周りだけで観察することにしました。

池の観察の中でも特に面白かったのはトンボの観察です。

実は先週の下見の時に、池の周りを縄張りにしていたオオシオカラトンボを捕まえて、羽に黒マジックでマーキングをしておいたのです。すると今週の観察会の日、やはりそのトンボは変わらず池を縄張りにして哨戒行動をとっていました。

時々ほかの個体がやってくると、オスの場合は追い掛け回して縄張りから追い出します。そして相手がメスの場合は、縄張りに引き寄せて交尾しようとします。個体識別しやすいようにしてやるだけで、そうしたトンボの行動の意味がわかりやすくなりました。

動き回るトンボを目で追いかけるのは幼児には大変ですが、池が小さいのでなんとか見失わないでいられたようです。

その後、水の中のヤゴを捕まえて水槽に入れて観察していたのですが、幼稚園児たちはすでに池のどのあたりを探すとヤゴがいるか分かっているようです。何度もこのイケで遊ぶ中で、ヤゴが好む環境を判別しているようです。

 

最後に、Sさんが地面に落ちていたヒグラシの死骸を拾ってきたので、お腹の部分を解体してみました。

 

お腹というからにはいろいろ内蔵が詰まっているのだろうと思いきや、中はほとんど空洞。胸のあたりには、貝柱のような白い筋肉が2本左右に付いています。この筋肉で胸を大きく振動させ、発生した音をお腹の空洞な部分で反響させてあれだけの大きな鳴き声で鳴いているのです。

 

こうした少し踏み込んだ観察をしてみると、普段見ている生き物が少し違って見えてきて、新たな興味を引き出してくれると思います。